実直そうな若い女性が来店くださる。「この指輪を、葉っぱの形のヘッドにしたいのですが・・・・」とおっしゃる。「葉っぱの形も色々ですが、どのような形がよろしいでしょうか・・・・?ダイヤは使いますか・・・?」お聞きすると、「葉の形はお任せします。ダイヤは予算以内で」入るなら、葉っぱから垂れる滴のように使ってください・・・・」迷いのないすっきりしたお顔でおっしゃった。
「やっと仕事のペットシッターサービス(留守中のペットの世話)で生活出来るようになったので、心配しながら亡くなった母が残してくれたものを、仕事柄、見えないようにやっていたいのです。」とも。
お母様が生きていた時、看病しつつペットの仕事を始めたらしいが、アルバイトしないとやっていけなかったと言う。
私は彼女の想いに感激し、亡き母上様の想いにも共感し、"葉っぱ"の形を考え続けた。ある朝、いつものように神棚の榊の水を取り替えていると、葉の後ろ側に小さな実がびっしりついて、所々白い花が開いている!!"これだ!"と私は決定。
「榊の葉にしませんか!ダイヤは消えてしまう滴になどせずに、想いの結晶である花にしましょうよ!!」次の日彼女に了承を得た、少々興奮気味に・・・・。