団塊の世代の、夫に先立たれた方が友人とご来店。ご主人に頂いたリングと自分で買ったヘッドをお持ちになり、両方一緒にして"何かしっかりしたものを・・・・」とご相談。
当店のオリジナル品を見て戴くと、八角形のシンプルなペンダントヘッドを気に入って下さる。このヘッドに、お持ちのピンクとブルーの石を配置したラフスケッチを描いてお見せすると、嬉しそうに微笑んで下さった。「たぶんお似合いだろう・・」と思いつつ描いたのだが、ご本人もそう思われた様であった。
こんなリフォームの光景は、娘夫婦が入る以前から続いてきており、依頼者と作り手が「ぴたり」と合点し、意気投合して仕事に入るので、"本当に気に入ってもらえるだろうか"という不安を退けるエネルギーが漲って義務感を全うできた。
ジュエリーデザインに縁を得て40年目を迎えたこの頃、「この様な状況はいつまで続くのであろうか?」という不安の芽が起こりつつある。"人を信用しない"、"助言は聞かない"という類の少数の人に出会う様になった。
とにかく、楽しく仕事を続けてこられたのは、依頼者の方々のお陰であると強く感じる様になった。