小さな男の子を連れて入ってきた体格の良い男性、「妻とお揃いのヘッドを創りたいのですが・・・」とおっしゃる。
「そしてイニシャルを・・・・」、と描きたい素振りをなさったのでスケッチブックを広げると、「大きさはこのくらいかなー」と言いながら、10ミリの円の中に大文字のDとKを、縦の直線を重ねて描いた。
{長い間思い続けてこられたんだなー}と私は思った。
その日は、チェーンも含めてシルバーとプラチナの見積もりを出して欲しいという依頼を受け、小美玉市のT様というだけで電話番号をお聞きするのを忘れてしまった。
次の週の日・月曜日は孫の通う小学校が創記念日なので、「一緒にディズニーランドに行こう」、との息子家族との約束を3日前に思い出し、あわててホームページ上に臨時休業の御知らせをした。
しかし小美玉市のT様は来店下さるだろうか?{往復3時間を無駄にさせたら申し訳ないなー!}と思い、B4の紙にお詫びの文面と携帯番号を記し、ガラス戸から見えるよう、[CLOSE]のカード下にぶら下げた。
数日たって茶目っ気なメールが入った。 「日曜日行きました。不在だったのはショックでした。ネックレス安くしてもらえれば、ショックは少し軽くなるかと・・・・」どうやら、4人家族お揃いで来たらしかった。私も熱意にお答えし、ご主人のスケッチを45度回転して立体的にし、プラチナで創ることになる。 4人に出会えて良かった!!