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痛みを分かち合える優しさ(2004年9月)

  

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 小柄でショートヘアの良くお似合いの女性が来店。宇都宮の方で当店のカタログに出会い、2月に行われた結城のマラソン大会に出場されて、当店の場所も分かったという御縁のある方だった。
 
 御主人からプレゼントされた婚約リングがしばらく眠ったままなので、出来ればヘットとリングを作りたいとのこと。
 
 シンプルで気取りのないデザインは、見本を参考にして頂き、すぐに決まった。お人柄も率直で気取りがなく、マラソンの素晴らしさを語る目の輝きには、世間や家庭のわずらわしさから離れて、夢中で没頭しえる魂の喜びが映っていた。悲しいかな、この至福は家族といえども共有できるものではないらしい。御主人は知的派なので、マラソン大会は独りでさっさと出かけ、自分は行動派だという。
 
 出来上がった時は、成人したお嬢様と来られて、彼女のもう一つの喜びは"ねこのいる生活"だと話して下さった。私もこれには痛い程共感できて、先頃死んでしまった看板ねこラーマとの思い出に涙があふれ出てしまった。
 
 二~三日後、数匹のねこが楽器をひいている素敵な絵はがきが届き、優しい慰めの言葉が添えられていた。彼女の心が澄み切った青空の様に感じられ、言葉は風のように爽やかで心地良かった。


オリジナルジュエリースタジオ-工房ゆりーこ