「元気をもらいにきたよ!!!」と言って、近所で頂いたという野菜を持ってチョクチョク顔を見せに来られる方がいらっしゃる。開店当時からもう20年以上のお付き合いで、有り難く貴重な存在となっている。
現在の様に頻繁にお見えにはなっていなかった12年前の頃、丸1年間ばったりと足が遠のいていた時期があった。「どうしたのかしら?」と思いつつ時を過ごしていたある日、久々にお見えになり、「高校生の娘が事故にあって大変だったの・・・。頭蓋骨を骨折して片目を失ったけど、命が助かったから良かった!!」と微笑まれた。
「事故当時の様子を見て主人は、"諦めよう(娘の命を)"って言ったけど、産んだ私は"絶対に諦めない!"と思ったの。看病も全然辛くなかったし、娘がうわ事で"お母さん、お母さん!"って頼ってくれて嬉しかった!」と。
「ウッワー!、大変だったねー!!」と、同じ女の子を持つ私はショックを受け、"五体満足な女の子を授かった親の嘆きはいかばかりか!?"と思えたのだが、彼女から聞く言葉は、体験者が語れる、"真の母心"で、空の広さと、海の深さと、太陽の暖かさも感じられて、"自然の恵み"そのものだと思った。
しばらくして、「自分へのご褒美に指輪を創ろうと思って・・・」と注文下さった。大きな愛を表す人に相応しい、大きなデザインを一生懸命考えた。