御母様がお持ちの貴金属を娘様にお譲りになるので、「リフォームしたい・・・」と、お二人でご来店下さる。どれも思いでのつまったリングではあろうが、有名デパートで買ったというダイヤの"一文字"と言われるプラチナ枠の指輪を、お二人共が「何とか普段使い出来る様になりませんか・・・?」と。
「高さを低くして、小指側をずらしてこの様にしたらいかがでしょう・・・?」と言いながらスケッチを描いてお見せすると、すんなり「これでいいです!!」とおっしゃってすぐ決まってしまった。
「指輪の宝石は全部はずしてから、地金を売って加工代に充てますが、他の宝石はいかがなさいますか?」とお聞きすると、「たいした石ではないと思いますから何もしなくて結構です。」と御母様がおっしゃる。
私は、人間には創れないこれらの宝石達にチョッピリ同情的になり、大きなアメジを中心にして、V字りんぐ以外についている宝石すべてを使ったペンダントを、思いつくままスケッチしてみると、「こんなのが出来るならお願いします」と笑顔のお二人が言って下さり創る事に。ハートのサファイアと隣の小さなダイヤ、角のサファイアと囲まれていたダイヤ、みんな嬉しそうにみえる。