お嬢様の結婚相手がオーストラリアの方で、日本とオーストラリアの2箇所で結婚式をあげられた、と幸せそうなお顔でお話くださり、その現地で、思い出に購入されたボルダーオパール2個と、もう使わないとおしゃるリングやヘッドを、お持ち頂いた。
ボルダーオパールの表面は、2個共水平ではなく波打った状態なので、ノーマルな石枠創りができない。要するに「宝石を貴金属の地金でどのように固定するか?」ということが、今までの経験の常識からは簡単にいかず1週間頭を悩ました。
「もうお断りしようか!」などとめったに思わない事が浮かんで、とりあえず2~3日間、頭をリセットする事にした。
私の心の声は、「思い出の品を”創れない”等と言うわけにもいかないな・・・・」と思いつつ、「困難にたった時は、オリジナルな方法を生み出すチャンスではなかったのか!」と叱咤激励した。
3日後、お預かりの品々をみてみると、宝石の変形の形を生かし、長所を引き出す方法が一瞬にして思い浮かんだ。
職人さんに説明するためのデザイン画の苦労がちょっぴりありましたが、お陰様でデザイン通りに仕上がり、「ああ、良かった!良い経験をさせて頂いた。」と,一時期の無力さも喜びに変わり、このご縁に感謝している。