下妻からご来店下さった奥様、「指輪はやらないので、どうしたらいいものか...?」と仰る。
「オパールは割れやすいので、ヘッドには最適ですが...」とご提案。「石が長いのでどういう具合にしたら?」と、デザインを心配していらっしゃるご様子。
「でも、奥様も面長の卵型でいらっしゃいますから、お似合いになると思います」という事で、デザインを考える時間を頂く。
オパールをリングから外して大きさを測り、PT900のリング枠を溶かして創れるような、実物大のデザイン画を作成した。
2~3日後に見て頂くと、「全体の大きさも雰囲気も丁度良いと思う」とおっしゃってくださったので、すぐに制作にとりかかった。
オパールの石は、母親の心のように優しい色で、素敵な贈り物であった。
牛久からお母様に連れられて見えた中学生のNちゃん、写真が入る「ロケットペンダントを創りたい...」「蓋の上にオリオン座の星座の形に天然石を留めてほしい」と言う。
たまたま当店で手加工したシルバー製品の1個だけは、地金の厚みが1ミリ以上有るので、何とか希望が叶えられそうでそれをお勧めした。オリオン座の形のプロポーション、どこの場所に何色の天然石を、天然石の大小の選択、ご希望をすべて書き取って、制作に取りかかった。
出来上りを取りに見えたとき、お母様が「どう? 言った通りできてる?」とお聞きになって、一瞬緊張が走ったが、Nちゃんがニコッと笑って頷いてくれたので、いやはや助かりました。
「どなたのお写真が入るのですか?」と勇気をだして聞いてみると、「おじいちゃんの写真です、この子がなついていたおじいちゃんが亡くなったもんで...」
(アアソウナノカ...)と心の中でNちゃんの心中の悲しみを思った。
遠くまで来て下さって有り難うございました。